大谷翔平の年俸推移【2023】年収87億円でも「安すぎる」の声が出るワケ

WBCでは投打で侍ジャパンを引っぱり、見事世界一に導いた大谷翔平選手

2023年の年俸が話題になっていますね。

その額、なんと40億5000万円

プロ1年目の1500万円から10年で270倍にまで年俸をアップさせています。

さらにスポンサー収入も含めると、2023年の収入は総額87億円

今オフにはFAにより12年810億円という大型契約を結ぶという報道まで出ていて、驚愕の金額に目が離せない状況です。

そこで今回は、大谷選手のプロ1年目〜現在までの年俸の推移についてまとめてみました。

2023年オフに迫る大谷選手争奪戦のマネーゲームを前に、その異次元の金額アップ率を復習しちゃいましょう。

また、

二刀流での活躍を考えたら、今の年俸って安くない!?

メジャー1年目〜3年目の年俸が、異常に安いんだけど!

などなど、年俸の推移を見て浮かぶさまざまな「安すぎる!」という疑問にも答え、理由も解説していきます。

ぜひ最後まで読んでいってください。

(※金額はすべて当時の為替レート)

目次

日本&メジャーの年俸の推移一覧

まずは日本ハム時代とエンゼルス時代、それぞれの年俸の推移を一覧で。

スクロールできます
2013年(19歳)1500万円契約金1億円
+出来高5000万円
2014年(20歳)3000万円【投】10勝
【打】10本塁打
2015年(21歳)1億円【投】三冠
2016年(22歳)2億円シーズンMVP
日本ハム日本一
2017年(23歳)2億7000万円【投】通算40勝
【打】通算40本塁打
《日本ハム時代》
スクロールできます
2018年(24歳)6000万円
(54万5000ドル)
メジャー新人王
2019年(25歳)7200万円
(65万5000ドル)
2020年(26歳)7700万円
(70万ドル)
コロナ禍により
試合数60
2021年(27歳)3億3000万円
(300万ドル)
シーズンMVP
【打】46本塁打
クインティプル100
2022年(28歳)6億円
(550万ドル)
【投・打】W規定到達
2023年(29歳)40億5000万円
(3000万ドル)
WBC優勝
《エンゼルス時代》

続いて、日米それぞれの年俸アップの軌跡を軽くおさらいしておきます。

日本ハム時代

2012年、北海道日本ハムファイターズにドラフト1位で入団。

プロ野球の世界へ飛び込んだ時の年俸は1500万円でした。

その後、二刀流として順調にキャリアを築いていき、3年目(2015年)に投手三冠を獲得して年俸1億円を突破

高卒3年目での1億円到達は、松坂大輔さんに並ぶ当時の最速タイ記録です。

チームの日本一&シーズンMVPを経て、日本最終年(2017年)には2億7000万円までアップ。

ファイターズの先輩ダルビッシュ有投手に並ぶ、高卒5年目最速タイでの契約額をもってメジャーへと旅立ちます。

エンゼルス時代

メジャー初年度の年俸は、最低保証額の6000万円からスタートします。

右肘のケガなどで低迷したものの、メジャー4年目(2021年)で大爆発。

驚愕の年間46本塁打を叩き出してア・リーグMVPを獲得し、初の大型契約を2年・9億3000万円で結びます。

5年目(2022年)も勢いは止まらず、「投打のW規定到達」というMLB初の快挙を達成。

オフに結んだ2023年の年俸は、日本人初の大台となる3000万ドル、日本円で40億5000万円の超大型契約となりました。

この金額は、メジャーの年俸ランキングで14位

前年の219位から200人以上をごぼう抜きにしての上位ランク入り。

歴代日本人メジャーリーガー最高年俸となりました。

スポンサー収入を加えた総年収ではMLB1位

年俸ランキングでは14位の大谷選手ですが、スポンサー収入を含めた総収入87億円は、堂々のメジャー1位

2位シャーザー選手、3位ジャッジ選手と比べて、スポンサーからの収入が圧倒的なのがわかりますよね。

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2023年総収入メジャー年俸スポンサー収入
1位:大谷翔平
  (エンゼルス)
87億円
(6500万ドル)
40億円
(3000万ドル)
47億円
(3500万ドル)
2位:マックス・シャーザー
  (メッツ)
80億円
(5930万ドル)
78億6500万円
(5830万ドル)
1億3500万円
(100万ドル)
3位:アーロン・ジャッジ
  (ヤンキース)
60億円
(4450万ドル)
54億円
(4000万ドル)
6億円
(450万ドル)

端正なルックスに愛嬌もあり、世界中の企業から大人気の大谷選手。

現在の契約企業は、13社にのぼります。

いったいどんな企業とスポンサー契約を交わしているのか、気になる人は下の記事も合わせて読んでみてください。

野球人・大谷翔平とは違った顔が見れるかもしれません。

今の年俸が「安すぎる」のはなぜ?

1500万円からスタートし、プロ野球生活10年で270倍もの年俸を獲得するまでに成長してきた大谷選手。

一見アメリカンドリームを体現しているかように見えますが、日本のみならず海外でも「今季の契約額が安すぎる!」という声が出ています。

マーリンズで社長を15年務めたダビド・サムソンさんも「安すぎる」論者のひとりで

契約額40億5000万円(3000万ドル)はやりきれない!

と、テレビ番組で不満を吐露。

長期契約の交渉ができたはずなのに、3000万ドルはまったく理解できない。
だって彼は、1人で2人分のロースター枠を補填してくれるんだよ?
しかも球界トップクラスのハイレベルでね。

と、球団人事のプロの視点から持論を展開しました。

ピッチャー・バッターそれぞれでタイトルを争うほどの高いパフォーマンスを見せているのに、見合った収入を得ていないのではないかということでした。

希代の二刀流は世界のアスリートと比べて、どのくらい「安すぎる」収入なのでしょうか。

世界のトップアスリートたちと収入を比較

アメリカのフォーブス誌が毎年恒例「スポーツ選手長者番付」を発表しています。

ランキングから、TOP10選手の総収入を下の「表」にまとめてみました。

大谷選手の総収入:87億円(6500万ドル)

と比べてみてください。

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1位:クリスティアノ・ロナウド
   (38歳・サッカー)
183億6000万円
(1億3600万ドル)
2位:リオネル・メッシ
   (35歳・サッカー)
175億5000万円
(1億3000万ドル)
3位:キリアン・エムバペ
   (24歳・サッカー)
162億円
(1億2000万ドル)
4位:レブロン・ジェームス
   (32歳・バスケ)
161億3250万円
(1億9500万ドル)
5位:カネロ・アルバレス
   (32歳・ボクシング)
148億5000万円
(1億1000万ドル)
6位:ダスティン・ジョンソン
   (38歳・ゴルフ)
144億4500万円
(1億700万ドル)
7位:フィル・ミケルソン
   (52歳・ゴルフ)
143億1000万円
(1億600万ドル)
8位:ステファン・カリー
   (35歳・バスケ)
135億5400万円
(1億40万ドル)
9位:ロジャー・フェデラー
   (41歳・テニス)
128億3850万円
(9510万ドル)
10位:ケビン・デュラント
   (32歳・バスケ)
120億2850万円
(8910万ドル)

ご覧のように、大谷選手はTOP10にかすりもしていないんです。

「ベーブ・ルースの再来」と呼ばれ、総収入がメジャーNo.1の大谷選手がこれでは、「安すぎる」という人たちの声にも頷けますよね。

ではなぜ、世界トップのアスリートの中では低めの状態が続いているのでしょうか。

世界のスポーツ選手の中で低い理由は?

1つには、野球が日本やアメリカを除けば世界的にはマイナースポーツであり、他の人気競技に比べて動くお金が小さいということがあります。

ただそれ以上に、大谷選手の収入や野球に対する考え方の影響が強い。

今季の年俸40億5000万円は、昨シーズンの終了前にいわゆる「一発サイン」での更改でした。

大谷選手クラスの大物が、シーズンの途中にすんなりとスピード契約を交わすのは異例中の異例だといいます。

事実、代理人も球団から最大限の金額を引き出そうと長期での契約交渉を想定していたそうです。

でも大谷選手は、長引かせない決断をしました。

すべては夢や目標のため

理由は翌年の3月にWBCの開催を控え、その準備に万全を期すためでした。

交渉が長引くと1月や2月までずれ込んでしまい、オフのトレーニングや準備に支障をきたすということです。

大谷選手の考え方は常に、お金よりも野球での自分の夢や目標を最優先するもの。

自分が成長できる野球環境が手に入るなら、周りから「安すぎる」と言われる契約額でも臆せず決断をする

それが大谷流だったんですね。

金額・アップ率はいずれも史上最高だった

ちなみに今シーズンの大谷選手の年俸40億5000万円は、交渉権を持つ選手としてはMLB史上最高額。

さらに昨年の年俸から33億円増のアップ率は、これまでの13億円増の記録を大きく上回り、同じく史上最高。

実は記録づくめの契約更改となっていました。

普通にすごいです(笑)

大谷選手は、まだ28歳。

FAを取得する今オフでは、各チームとの交渉金額が最低81億円(6000万ドル)スタートになるというウワサもあります。

これからさらに活躍し、長者番付TOP10に食い込んでくる日もそう遠くはないでしょう。

メジャー移籍直後の年俸が「安すぎる」のはなぜ?

ほかの日本人選手と比べて破格の安さ

現在の年俸が「安すぎる」という声と同じく、メジャー1年目の年俸6000万円が「安すぎる!」という声もかなりあるので、理由を解説していきます。

日本最終年の年俸2億7000万円から、メジャー1年目は2億円以上の大幅ダウン

ほかの日本人メジャーリーガーの1年目と比べて、大谷選手がいかに「格安」契約であるかがわかりますよね。

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(※メジャー1年目の年齢)日本最終年の年俸メジャー1年目の年俸
大谷翔平(24歳)2億7000万円
(日本ハム)
6000万円
(エンゼルス・2018年)
イチロー(28歳)5億3000万円
(オリックス)
5億円
(マリナーズ・2001年)
松井秀喜(29歳)6億1000万円
(巨人)
7億円
(ヤンキース・2003年)
松坂大輔(27歳)3億3000万円
(西武)
6億3000万円
(レッドソックス・2007年)
ダルビッシュ有(26歳)5億円
(日本ハム)
6億円
(レンジャーズ・2012年)
田中将大(26歳)4億円
(楽天)
24億円
(ヤンキース・2014年)

おまけに、メジャー1年目から新人王を獲得するなど十分な活躍を見せていたにも関わらず、3年目まではほとんど昇給せずに横ばいで推移しています。

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2018年(1年目)6000万円(54万5000ドル)
2019年(2年目)7200万円(65万5000ドル)
2020年(3年目)7700万円(70万ドル)

どういうことなのでしょうか?

これには大谷選手が渡米した時の、メジャーリーグの契約を巡る2つの規定が関係しています。

海外選手に対する特別なルール

1つ目は「海外選手」に関する規定。

海外の選手がメジャー契約を交わすには

「25歳以上、かつ自国内でのプロ経験が6年以上」の条件が必要

該当しない場合はマイナー契約となり、メジャーに昇格しても最低保証額からのスタート

という決まりがあります。

大谷選手はメジャー挑戦時、23歳で日本でのプロ経験は5年だったので条件を満たしていませんでした。

このため、ほかの日本人選手と違って大型契約を結べず、最低保証額6000万円での契約となったんですね。

3年目までほぼ昇給できない「年俸調停権」

2つ目は「年俸調停権」に関する規定。

この年俸調停権、ごちゃごちゃしたシステムがあるのですがザックリ言うと

年俸交渉で選手側から希望金額を提示できる権利

と考えるとわかりやすいです。

この権利が得られるのが、メジャーに所属して3年が経過してから

それまでは球団側が提示した金額を受け入れるしかなく、トップ選手のような何億ドルといった大型契約ができない決まりになっています。

大谷選手も1年目から3年目まで横ばいに推移していた年俸が、3年プレーした後(4年目の年俸から)一気に金額が跳ね上がっています。

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2018年(1年目)6000万円(54万5000ドル)
2019年(2年目)7200万円(65万5000ドル)
2020年(3年目)7700万円(70万ドル)
2021年(4年目3億3000万円(300万ドル)

「海外選手」「年俸調停権」この2つの規定があるため、メジャー3年目までは活躍と金額が見合ってない「安すぎる!」状態が続いていたんですね。

お金より夢を選んだメジャー挑戦

23歳での渡米の裏にあった思い

23歳という若さで海を渡った大谷選手。

あと2年待てば25歳となり、メジャー球団と総額200億円もの大型契約を結べたのではないかと言われています。

また先輩ダルビッシュ投手の日本ハム最終年の年俸が、25歳で5億円

大谷選手も日本ハムに残って25歳までプレーしていれば、日本球界での5億円到達は間違いなかったでしょう。

日米のビッグマネーを捨ててまで、大谷選手が異例の若さでメジャー挑戦を決めた理由は何だったのでしょうか?

そこには、大谷選手の野球に対する信念がありました。

野球がうまくなるための一番の選択

大谷選手の母・加代子さんは、若い時からのメジャー挑戦について

前々から伸びしろがある状態でアメリカに渡り、向こうでピークを迎えたいという話はしていました。翔平らしい決断だと思います。

と、語っています。

お金の損得ではなく、純粋に

世界一の選手になるために、最高峰の舞台で自分の野球をもっとレベルアップさせたい

という強い思いのもと、自分が一番成長できる時期に海を渡る決断をしたんですね。

大谷選手の中には、この「お金より夢」の気持ちが常にあります。

伸び盛りの時期に世界最高レベルの野球環境で過ごした結果、いまや投打ともメジャートップと言われるほどの成長を遂げました。

もし25歳まで日本でプレーしていたら、二刀流はここまで進化していたでしょうか。

今の異次元の活躍を見ると、若くしてメジャーに渡った大谷選手の決断が正しかったと言わざるを得ないですね。

まとめ

大谷選手の年俸の推移「安すぎる」という声について検証してきましたが、いかがだったでしょうか。

「海外選手」「年俸調停権」2つの規定のため最低年俸でスタートしたメジャー生活。

お金より夢を選んだ大谷選手は、その後驚異的な活躍とともに年俸をアップさせていき、日本人メジャーリーガー最高年俸まで登りつめました。

世界のトップ選手たちと比べると収入面では見劣りするものの、まだまだこれからピークを迎える年齢。

2023年オフに訪れる大型契約はどのくらいの金額が飛び出すのか、いまから目が離せないですね。

最後にもう一度、年俸推移の一覧を載せておきます。

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2013年(19歳)1500万円契約金1億円
+出来高5000万円
2014年(20歳)3000万円【投】10勝
【打】10本塁打
2015年(21歳)1億円【投】三冠
2016年(22歳)2億円シーズンMVP
日本ハム日本一
2017年(23歳)2億7000万円【投】通算40勝
【打】通算40本塁打
《日本ハム時代》
スクロールできます
2018年(24歳)6000万円
(54万5000ドル)
メジャー新人王
2019年(25歳)7200万円
(65万5000ドル)
2020年(26歳)7700万円
(70万ドル)
コロナ禍により
試合数60
2021年(27歳)3億3000万円
(300万ドル)
シーズンMVP
【打】46本塁打
クインティプル100
2022年(28歳)6億円
(550万ドル)
【投・打】W規定到達
2023年(29歳)40億5000万円
(3000万ドル)
WBC優勝
《エンゼルス時代》
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