北海道大学

瀬戸口 剛(大学院工学研究院長/教授)

北海道大学は人材育成に関する教育として、①人間形成の元となる教養を培う「全人教育」、②未踏の学問領域を積極的に探究する「フロンティア精神」、③国際性豊かな感受性を育成する「国際性の涵養」、④基礎研究を重視しつつも実社会に生かすことを常に意識する「実学教育」、を進めています。なかでも「実学教育」はこれからの工学教育においては重要で、課題解決型で実践型の取り組みが求められます。課題解決のための事業化を目指した、学生による起業を支援する教育プログラムまで見通す必要があります。

このたび、小樽商科大学、東北大学、宮城大学など6大学とともにコンソーシアムを組み、文部科学省の「次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)」に参画しています。アントレプレナー育成プログラムは、連携する各機関の強みを相乗連携して、迅速、且つ確実に世界トップレベルの起業家人材を輩出することを目的としています。そのために産業界、行政など学内外の協力者を募り、推進する体制を構築しています。

アントレプレナー育成プログラムは、大学および学生にとっては望ましい、出口まで見通した課題解決型教育です。企業にとっても新たな企業活動の可能性を見出せ、すべての参加者が夢を持って取り組むことができます。その活動自体が十分な教育成果となり得ます。今後は大学と企業がともに連携しながら、実践型教育としてアントレプレナー育成プログラムのさらなる展開が望まれます。

 

小樽商科大学

玉井 健一(大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻 教授)

小樽商科大学は、EDGE-NEXTプログラムにおいて「文理融合アントレプレナー人財」を育成すべきアントレプレナーと考え、その中核的な役割を果たす教育機関になることを目指します。また、これまで培ってきた知識・経験をベースに国際的な舞台で活躍することが期待される理工系学生に戦略、財務・会計、組織、マーケティングといった経営に必要な基礎教育プログラムを開発・提供することができる教育システムの開発者になることを目指していきます。さらに、専門性の異なる文系と理系の学生の交流を通じ、知識の融合を図り相乗効果を高めることができる文理融合型の価値創造プラットフォームとなることを目標とします。

上記のような目標を達成するために、本学ではビジネス創出に向けて実際の社会的な課題解決を体験させる実践的PBLプログラムの講義を北海道大学と連携して展開していきます。また、本学がこれまで培ってきた教育資産をベースに将来、国際的な舞台で活躍することが期待される理工系学生を多数抱える地方基幹大学とも連携を図っていきます。そこでは、多様なバックグラウンドを持つ学生間のコミュニケーションの場を提供するとともに、理工系学生が専門的に学んでこなかったビジネス創出に必要な知識・スキル獲得を支援する講義を展開することで、クロスファンクショナルな効果が期待できる教育プログラムを実践していきます。

以上のような取り組みを通じて、小樽商科大学では1911年(明治44年)の創立以来、追求してきた「実学の精神」に基づく研究教育の経験、および2004年(平成16年)にビジネススクールとして開設された大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻での社会人学生に対する教育経験をEDGE-NEXTプログラムで如何なく発揮し、北海道経済、ひいては日本経済の再生と進行を担うビジネス研究拠点としての役割を果たしていきたいと考えています。